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為替リスクのこと

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グローバルに投資する投資信託を保有している方々の中には、「為替リスク」を取って投資しているという意識があまりない方がいるのではないでしょうか? 目論見書などのディスクロージャー資料にはその旨明記してあっても、あまり気にかけずに読み飛ばしてしまうことも多いと思います。特にアベノミクスがスタートする少し前から、基本的に「円安トレンド」が続いているので、「円安=外貨高=為替“差益”」の連続で、為替が「リスク=損失」になるという感覚が乏しくなるのも無理ありません。

 

ちなみに、今の円安トレンドのスタートラインは2012年初め頃の1ドル76円近辺でしたから、最近の1ドル150円近辺まで円安で、ドルは円でみると約2倍の価値になったことになります。ちなみに、この間アメリカ株(S&P500)は現地通貨のドルベースでほぼ4倍になったので、円ベースでは8倍程度に大きく値上がりした格好です。これは複利の年率で19%近くのリターンになり、その内、為替”差益“の分が年率6%近くを占める計算になります。

 

          

しかし、筆者がファンドマネジャーなどとして投資の実務に携わっていたアベノミクス以前の30数年間は、為替レートは大きくブレながらも、基本「円高トレンド」でした。つまり「円高=外貨安=為替“差損”」という世界です。海外に投資して、外貨(現地通貨)ベースでは利益が出ていても、同時に為替差損が出てしまうので、「円ベース」ではリターンが目減りしたり、マイナスになるということがよくありました。

 

          

 

当時日本の投資家は、為替差損を避ける目的で「為替ヘッジ取引」を行ったりしましたが、ヘッジコストは「海外の金利マイナス国内の金利」で決まるため、海外の金利の方が高い状況で継続的に為替ヘッジを行うと、大幅に投資リターンを引き下げたりマイナスにしてしまいます。実は現在も、海外金利の方が国内の金利より大幅に高く、為替ヘッジに大きなコストが掛かってしまう状況に変わりありません。

 

為替レートは二つの国の通貨間の交換レートですから、「相対的に」経済が好調で金利も高く海外からの資金流入の勢いが強い国の通貨の方が強くなります。「相対的に」というのは、相手に比べてということで、あくまで比較の問題です。日本が好調でも、アメリカの方がもっと好調なら、円はドルに対して弱くなってしまいますし、逆に、日本が不調になっても、アメリカの経済がもっと不調になれば、円はドルに対して強くなり円高となります。このように、二つの国の経済の大きな流れの「比較感」が為替レートを動かしてしまいますから、海外に投資する場合、ちょっと不都合なシナリオが考えられるのです。

 

          

 

例えば、これから大きく成長しそうなアメリカ株式を組み入れた投資信託に投資をしていても、ドルが円に対して値下がりしてしまえば(円高)、ドルという現地通貨ベースでの株式の値上がりがあっても、円ベースでは大きく目減りしたり、損失になったりする場合がそれです。為替レートはとてもブレやすく、トレンドが長期に続くのか、短期で終わってしまうのかは全く予測不可能で、おまけに為替ヘッジはあまり役に立ちませんから、為替リスクというのはとても厄介で不都合な代物です。ですから、海外に投資する場合、投資家は「為替リスクは手に負えないもの」として覚悟しておく必要があるのです。

 

実際、グローバルに投資活動を行う先進各国の年金基金などのプロの機関投資家は、自国通貨建ての資産(国内株式や国内債券など)を中心に据えて資産ポートフォリオを構築します。これを「ホームカントリー・バイアス」と呼んだりしますが、それは自分の国だけではコントロールできない「相手のある」為替レートに由来するリスクは、過度にとるべきではないという考え方に基づいた投資方法です。

 

          

 

行き過ぎた円高とそれに伴う日本国内の強烈なデフレ圧力を打破するためにとられた「アベノミクス」という政策ですが、その中心は日銀の強力な異次元金融緩和でした。一方その間、アメリカの一人勝ち的な経済の好調が続いたために、これまで10年以上にわたってドル高・円安が「当たり前」になってしまっています。しかし、何かが当たり前になった時、逆の方向に動き出すのが市場の常です。これを機会に「ホームカントリー・バイアス」という言葉を頭のすみっこに置いた上で投資信託を組み合わせ、自分好みの「NISAポートフォリオ」を作ってみてはいかがでしょうか。

 

          

 

tsumiki no Jii-sama

 

 

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