世の中の変化や、投資の魅力について一緒にまなびましょう♪
tsumiki証券 取締役 tsumiki no Jii-sama
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2022年も残りわずかとなりました。筆者は経済と株式市場を40数年にわたって見てきましたが、2022年ほどの激変の年は数えるほどしかありませんでした。1987年10月の「ブラックマンデー」、1990年からの「日本のバブル崩壊」、2007年の「リーマンショック」など。
今回の激変は、表面的にはロシアがウクライナに侵攻したことがきっかけで世界的インフレが起こり、インフレ退治のために欧米の中央銀行が金融を引き締めたことが原因のように見えます。しかし実態は、2020年からのコロナ禍対応のために各国政府の財政支出が膨張し、加えて、すでに大幅緩和されていた金融政策も更に緩和されたことで、世界中にマネーがあふれ、「コロナバブル」ともいうべき状況を作ってしまった、ということなのです。
ロシアのウクライナ侵攻以前は、不動産、株式等の金融資産、あるいは暗号資産(仮想通貨)の値段が上昇するだけでしたが、侵攻後はエネルギーや食糧など、日々の生活に密着した一般物価が一斉に上がりだしたので、欧米の中央銀行は悪性のインフレをおそれ、強力な金融引締め(マネーの回収)をせざるをえなくなりました。欧米の金融引締めは、景気が大きく減速あるいは後退し、インフレが収まるまで続けられると思われ、日本を含む世界の企業の業績悪化も予想されます。
そんなネガティブな状況の中で、投資信託の「つみたて」を始めるべきなのか、悩んでいるあなた。これから景気や企業の業績が悪くなるなら、ちょっと見合わせるべきではと迷っているのではありませんか? でも、ちょっと待ってください・・・。経済や投資の世界では、大抵の場合「ピンチはチャンス」だからです!
世界の景気や企業業績が良くて、株価も上昇基調のときは、株式を中心に組み入れた投資信託の価格は少しずつ上がってゆくため、一万円なら一万円という同じ金額で買える投資信託の数量は少しずつ減ってゆきますよね。逆に、株価が下がり傾向のときはどうでしょう?同じ金額を投資して買う投資信託の数量は少しずつ増加してゆきます。言い換えると、投資信託の価格が上昇基調のときは、同じ金額のつみたてによる平均買い入れコストは時と共に上昇しますが、価格が下落傾向のときは、平均買い入れコストはどんどん下がってゆくのです。
「期限」を決めて、あるいは「短期」で利益を確保しようとする人は、「期限」内に価格が上昇しないと困るので、ネガティブな状況下ではとても投資を始める気にならないでしょうが、「期限」を決めないで行う「長期投資」であれば、価格の下落傾向は投資の平均買い入れコストを下げることから、むしろ将来、プラスの投資成果を得やすくなるのです。期限を切って投資をする人にとって期限という時間は「敵」ですが、期限を切らない長期投資家である皆さんにとっては、価格が下落傾向にある間の時間は「味方」になるというワケです。
欧米の中央銀行によるインフレ退治のための「マネーの回収」は2023年も続きそうです。でも、つみたて投資にとってピンチはチャンス。まだ、つみたてに踏み切れていない方がいらっしゃれば、負担にならない少額からトライしてみてはいかがでしょう?モヤモヤが晴れて、新しい世界がひらけますヨ。それでは、良い年をお迎えください。
tsumiki no Jii-sama
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・投資信託は価格の変動等により投資した金額が減るおそれがあります。詳しくは各商品の目論見書・目論見書補完書面(当社ウェブサイトにあります)をお読みの上、お客さまご自身でご判断ください。
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