みなさんこんにちは。
tsumiki証券 会長の荒尾です。
新型コロナウイルスの影響もあり、世界の証券市場が大混乱しています。市場の「大混乱」ってどうして起こるのか?不安心理によるものですか?
でも、不安心理だけで、どうして何百兆円ものお金が数日間で消えてなくなってしまうのでしょうか?
証券市場の中でも特に株式市場は、将来にわたって企業が稼ぐだろう利益を全部足し合わせたものとして本来の企業価値が決まり、株式の価格もそれを反映して決まっていると考えられます。でも、これは長期投資家の視点です。
長期投資家とは十年、二十年、三十年と投資を継続していく覚悟のある人たちのことで、遠い将来をみつめて、その企業が社会と共存しながら利益を生み続けていけるかを見極めて投資します。
世の中に長期投資家しかいなければ、市場は常に理性的で、不安に駆られて「大混乱」になることはありません。
「大混乱」になるのは、市場の中では短期投資家の方が圧倒的に多いからです。彼らはコンピューターを使って何十分の一秒の速さで売買を繰り返すものから、数日単位、数週間単位、数か月単位まで、様々です。
また、短期投資家の中には、信用取引を含め、借り入れた資金を元手に売買を行うものが多く、借入期限がくれば元本を返却しなければならず、期限付きの短期投資になってしまいます。
そして、短期投資によく使われる方法は、株価が短期的に上昇トレンドにあるものを買い、上昇トレンドが終わらないうちに売却する、というものです。
しかし、想定していたトレンドが崩れて逆方向に市場が動き出せば、あわてて買っていたものは売却しなければ大きな損失が出てしまいます。
こういった短期的取引は、株価を本質的な価値から大きく乖離させますが、同時に、こういった短期投資家の動きが日々刻刻の株価を決定していることも確かです。彼らの売り買いが市場で出会って、株価を形成しているからです。
いま世界の証券市場は、このような短期投資家の動きに強く影響されて「大混乱」となっていますが、株価が本来の長期的価値を大きく下回って推移すれば、「つみたて」を活用する長期投資家である皆さんにとっては、大きなチャンスです。
たとえ、コロナショックがきっかけで世界的な不況に陥ったとしても、その間の積み立ては、将来的に大きな成果を生むことが期待できます。短期投資家のピンチは長期投資家のチャンスと考えています。